キングソフト インターネットセキュリティ2017

結論から言うと控えめに言ってクソ。使ってはいけない製品。昔どこかの週刊誌が「買ってはいけない」とかいう本を出してたが、文句なしの掲載対象。

キングソフトインターネットセキュリティ2017がリリースされてから、すでに何人かがその性能を簡単にではあるが調査して公表している。

 

セキュリティソフト「KINGSOFT Internet Security 2017」の性能テスト結果 結果はとても低い性能 – Kaciy Discovery(http://kaciydis.wpblog.jp/?p=368

「KINGSOFT Internet Security」の検出性能に関する評価について – ネットセキュリティブログ(https://www.japan-secure.com/entry/evaluation-of-detection-performance-of-kingsoft-internet-security.html

 

ネットセキュリティブログでの実験によれば、今回リリースされた2017版の検知率はわずか18%。同タイミングでテストした同社の2015年版の77%と大きな差がある。

性能だけ見ても積極的に使おうという気にはなれないが、自分がいちばん問題視しているのはそこじゃない。

使い勝手だとか、実用性が云々(”でんでん”ではない)とか以前に、キングソフトの企業としての姿勢に疑問を感じるからだ。

キングソフトインターネットセキュリティのページを読んでみればいい。

https://www.kingsoft.jp/is

2015年版で一時期だけ搭載したAviraエンジンの性能試験結果を、Aviraエンジンを廃止した2017年版の製品ページで使い回し、あたかも2017版でも「キングソフトインターネットセキュリティは有料製品群をしのぐ検知率を持っていますよ」的なミスリードを意図しているのは明らか。

無論、堂々とそれをやると法律に違反してしまうので、製品紹介ページのトップでは性能について触れず(言えるわけがない)、代わりに「これまでの受賞歴」とうまいこと言い換えて、ページメニューの隅っこにひっそりとリンクされている。これを分かってやっているから本当にタチが悪い。

— — —

ドイツにAV-Comparatives(AVC)というアンチウイルス製品の性能試験団体があり、ここではPC利用者の環境を再現して、実物のマルウェアを使った性能テストが行われている。性能テストと一口に言ってもさまざまなシナリオを想定して複数の測定手法を用いていくつかのテストが行われており、最も一般的なのが「File Detection test」という、簡単に言えばデスクトップなどに集めたマルウェアのファイルを置いてスキャンさせ、内どれだけを検知できるか、というテスト。

キングソフトがこの性能試験に参加したのは、2013年3月、9月と翌2014年3月、9月の計4回のみ。もちろんAviraエンジンを搭載しているわけだから、本家Aviraとまったく同じ検知率である。

キングソフトご自慢の自家製エンジン「BlueChip」とのデュアル構成なら、本家Avira以上の性能が出てもおかしくなさそうなところだが、ま、所詮その程度ということだろう。

で、AVCでは「Real-world Protection test」という、より現実的なシナリオを想定したテストが行われている。File Detection testでは製品の保護設定をMAXまで上げた状態で「スキャン→検知できず=失敗」としていたところを、出荷時のデフォルト設定で準備し、スキャンで検知できなくても、そこからさらに実行してみて検知できるか観察する、という製品の全体的な性能を見極めることができるテストと言える。スキャンで検知されないからマルウェアでもなんでもホイホイ実行しちゃうわけで、それを許すか、ちゃんと水際でブロックしてくれるかは製品の潜在的な能力を判断するのに重要な指標。

で、キングソフトはどうかというと、スキャンで引っかからないマルウェアは実行しても検知できない、というパターンが多い。以下画像参照。出典はav-comparatives.org。

キャプチャ

本家Aviraでは、最終的にはほぼ全数のサンプルを全自動で検知しているのに対して、キングソフト(Kingsoft)は、約8%のサンプルは、ユーザーによる何らかの操作が必要だったり、感染を許す結果になっている。

他所から性能の良いエンジンを借りてきたからって、総合的な性能までは真似できない。はっきりわかんだね。

上記チャートは(http://chart.av-comparatives.org/chart1.php)で見れます。興味ある人はどうぞ。

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で、話をもとに戻すけど、一時期だけAviraエンジンを搭載して良い成績が出るのは当然という状態で性能試験に参加し、ある程度の評判形成ができたらAviraエンジンの有料レンタルをやめて「無料でも高性能」を唄おうとか、あまりに汚すぎやしませんかね。

もともとキングソフトが、自社セキュリティソフトの性能について何とか「手軽に」ポジティブな評価形成(要するにステマ)がしたいと思っていたのは、産総研の高木浩光氏に水面下で送ったメールが暴露されて明らかになっている。

『キングソフトが高木浩光先生にメールを送り、みるみるうちにネット上の評判が形成される様子』(https://matome.naver.jp/odai/2134753406122247101

中国が誇る人海戦術でのステマ作戦が失敗したら、今度はAviraでさっさと性能データだけ手に入れて、翌年から元に戻すという手に出たか。いよいよ信念も恥も外聞もないな。

これ、いちばん大事な「信頼性」を根本から損ねる商売方法。これをセキュリティ企業がやったらイカンでしょ。その点、マイクロソフトは先述したテストではいつもビリケツだが、言い訳もせず、卑怯な小細工をすることもなく毎回テストに参加している。あそこはOSで儲けているから、セキュリティソフトの評判なんぞどうでもいい、という見方もあるが。

なんにせよ、こんな企業の製品をパソコンに入り込ませたら、表向きは素晴らしいことを謳いながら、裏で何されているかわかったもんじゃねーぞ。消費者にそう思わせる時点ですでに負けている。

と、書くと今度は会社の評判形成に躍起になるんだろうな。

とにかく、キングソフトインターネットセキュリティ2017は使うに値しないということだ。

 

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